今日はチック症で使用されているハビットリバーサル法(習慣逆転法)を利用して治したい行動を変える方法をお伝えします。
体の慢性的な痛みも無意識にしている体の使い方に問題があることが多いので参考になると思います。
チック症を改善するための療法であるハビットリバーサル法(習慣逆転法)は、爪を噛む癖や抜毛癖など多くの習慣化した行動を修正するための素晴らしいツールです。一人ですべて行うのは難しいかもしれませんが、ご自身でやってみたい人のために詳しくハビットリバーサル法(習慣逆転法)のやり方を説明しています。
治したい癖や習慣、依存症などがあればトライしてみてください。
ハビットリバーサル法(習慣逆転法)は、チック症だけでなく爪を噛む癖や髪の毛を抜いてしまう癖など、あなたが変えたい習慣的な行動を変えてあなたの人生をもっと豊かにするかもしれません。
なぜ止められない?ゲーム依存
爪を噛む癖、髪を抜く抜毛癖、先延ばし癖、手を何度も洗う、スマホをいじる、スナック菓子の袋を開けると一袋全部食べないと止められないなど何かしら変えたい癖がありませんか?
止められない癖や依存症には脳の報酬系が関わっています。
私の場合はアメブロでハマったピグパズルゲームでした。
その他にも鍵をかけたと分かっているのにもう一度確かめる癖もありました。まあこちらは自分でも安心するので特に困った癖ではないのですが、ゲームは違いましたね。
自己管理できないほどハマったわけではないのですが、パズルゲームは終わりがあるようで切りがなく、ただの繰り返しだと分かっているのにズルズル無駄に時間を過ごしてしてしまう最も変えたい習慣の一つでした。
人によってはゲームを仕事にするほど充実したアクティビティのようですが、私にとってゲームは達成しても一時の興奮と満足感以外何も得られないものです。
その虚しさを知っていても生活に支障をきたしていなかったので本気でやめようとしていなかったのも原因の一つでしたが、徐々に遊ぶ時間が増えてきたので1年以上続いたパズルゲームを1年間止めました。
しかし、もう大丈夫だろうと、ちょっと暇つぶしにやってしまった結果、また数か月パズルゲームで無駄に時間をつぶしてしまう、そしてまた数か月止める、また1・2か月ゲームする、そのループを数年繰り返してしまいました。
脳の中ではゲームの報酬がストレス解消だったので止める動機が低かったことも止められない原因でした。
一度やったらまた止められなくなると知っているのにやってしまうのは脳の仕組みの報酬系が関係しています。
習慣化するまでは、それほど面白いと思わないゲームでしたが、面白いと思わないのに止められなくなるので依存症の一種ですね。
仕事をしたらご褒美に30分、家事が終わったらリラックスにと30分、こんなふうにご褒美をゲームと繋げて習慣化すると意志とは関係なく悪習慣が定着してしまいます。
1~2年続き、1年止めて、また大丈夫かな?とチャレンジするようにちょっとやってみて数か月ハマり、数か月間は止める。
これらの繰り返しを止めるために違う種類のゲームに手を出すと、またこれがパズルゲームに取って代わってしまい無限ループとなる・・。
一日30分から長くて2時間でしたが、サイトの閲覧をブロックする方法があるのではないかとふと思い立ちゲームサイトにブロックをかけることに成功してこの悪癖に終止符を打ちました。
ただ習慣は悪いものばかりでなく、一見良い習慣になるものもあります。
私の友人は「どんなにしんどくても毎日掃除機をかけないと気が済まない」と言っていましたし、母は、夕方でも汗をかいた服は必ずその日のうちに洗濯する習慣があり、それを止めるとイライラすると言います。
私から見ると良い習慣であるように思いますが、どんなに疲れていてもしないと気が済まない習慣化は、時にはストレスとなるのですが、脳の報酬系が刺激されるので意志とは関係なく欲するようになってしまいます。
生活に支障をきたすほどでない習慣はそれほど深刻ではありませんが、チック症、爪を噛み血がでるまで止められないような悩みの種となる行動を変えることが出来れば人生の質が変わるはずです。
ハビットリバーサル法(習慣逆転法)とは?
チック症の治療として知られるハビットリバーサル法(習慣逆転法)は、行動療法の一つで、チックを軽減するほかにも、爪を噛む癖や強迫性障害、貧乏ゆすり、トリコチロマニア(自分で毛を抜いてしまう抜毛癖)、喫煙、ギャンブル中毒、おねしょ、先延ばし癖、うつ病、不安、その他の行動問題の治療にも使用されています。
ハビットリバーサル法(習慣逆転法)の目標は、望ましくない習慣を、より好ましい違う行動に置き換えることです。
主に次の3つのことに焦点を当てながらトレーニングを行います。
- 1- 変えたい習慣の引き金になるきっかけや前触れになるようなサインを見つける
- 2- 自動習慣が起こっているとき自覚できるようにする
- 3- 今の習慣を新しいより良い習慣に置き換える
すべての習慣には3つの要素があると言われています。
自動的な行動を開始するきっかけや引き金、同じ手順が繰り返されている行動そのもの、脳がこのパターンを記憶し興奮や満足などを得る報酬です。
ハビットリバーサル法(習慣逆転法)は繰り返される行動を止めるために、習慣を変える最も効果的な方法を使います。
それは、習慣化してしまった古い手がかりを見つけること、その習慣から得られている報酬は何かを診断して、その他を変えることなく、習慣化している行動のみを望ましい方向に変えることです。
悲観的に考える癖を変えるために:
自動思考とは?
ハビットリバーサル法(習慣逆転法)のやり方
ハビットリバーサル法(習慣逆転法)は、5つのパートから構成されています。
- 1.気づき
・自分がその行動をしているときに気づくこと
・その行動が起ころうとする前触れに即座に気づけるようになること
・その行動が起こる状況の理解を深めること - 2.置き換え習慣(競合反応)の訓練
変えたい行動の代わりになる別の行動を考え、この新しい行動を定着させる - 3.動機付け
悪習慣を変えるには社会的支援の要素を含めることが重要であると研究結果で示されています。変えたい行動が治った時の喜びをイメージすることで動機づけをするほか、周囲の人のサポートを得ることなども加えてやる気が萎えないようにモチベーションを持ち続ける工夫をしましょう。 - 4.リラクゼーショントレーニング
悪癖やチックは、その人がストレス下にあるときによく見られるものです。衝動を抑えるために、呼吸法、瞑想、マインドフルネス、ヨガ、太極拳、段階的筋弛緩などのリラックススキルを学ぶことでストレスを減らします。 - 5.般化訓練(いつでも出来る適応力をつける)
さまざまな場面で新しい行動が自動的にできるように練習して適応力をつけ新しい行動を定着させます。 - その他に合わせて行いたい訓練
1.苦痛に対する感情的な耐性をつける
不快、あるいは、苦痛を感じる感情的あるいは肉体的な衝動に慣れることで予防します。
習慣化した反復行動の前に苦痛が増加し、その後苦痛が減少するのですが、苦痛に対する感情や衝動をコントロールできずに行動すると、その習慣化した反復行動の頻度と傾向が増加します。
逆に、苦痛を許して行動を先延ばしにすると、まず苦痛が増加しますが、その後徐々にゆっくりと減少します。それを続けていくと行動の頻度、そして深刻さ両方が減少する傾向にある、という研究結果があります。
私たちは日々いろんな感情が沸き起こりますが、ストレスを減らすにはネガティブな感情に対する耐性をつけることが重要で、訓練するとストレスも減り習慣化した行動も減らすことができます。
- ストレスマネジメント
不安、寝不足、怒り、疲労はチックや悪癖を悪化させることがあります。症状を気にすることでストレスが強くなることもありますので、ストレスマネジメントを学ぶこともおススメです。
マイナス思考の原因とマイナス思考を克服する方法:
プラス思考になる方法とは?
ハビットリバーサル法 実践編
ハビットリバーサル法の4ステップ
ハビットリバーサル法(習慣逆転法)には、4つの主要な構成要素があります。それは、「気づき」「反動作用の開発」「動機づけ」「実践」です。
1.気づき マインドフルネス
*当サロンではセッションを受けるご本人から問題行動の指摘を依頼された場合、あるいは問題行動を修正したい方で同意を得た時のみ下記のような注意喚起をします。他の理由でセラピーを受ける方にはトラウマの再発に繋がる場合があるため控えさせていただいております。
自己制御能力を高めるためにマインドフルネスを導入する
目的:チックやその他の問題行動への注意を高め自分の感情や行動、意図などの気づきを深めます。
ステップ1: 鏡を見ながら問題行動(以降は爪を噛む癖を例にとりますので、ご自身の癖に置き換えて読み続けてください)をするたびに、その時の様子を詳しく説明する。
ステップ2:指導者は、爪を噛む癖が起こるたびに本人にそのことを伝えます。本人自身が爪を噛んでいることに気づくまで、何度も何度も本人にフィードバックします。
ステップ3:爪を噛む癖が起こる直前の警告サインを識別出来るように訓練します。
警告サインは、衝動であったり、感情の高まりであったり、体の感覚、または心配などの思考であることがあります。
爪を噛む癖を誘発する内的な気分状態や外的な環境状況などもチェックしましょう。
セッション以外でも爪を噛む癖の前触れとなる兆候が現れたらメモに印をつけ続け気づきを深めます。反対行動で爪を噛む癖を上書き出来た時は🌸印など違うサインでメモをして成功体験を増やしましょう。
ソウルメイトと結婚したい方への記事:
ソウルメイトとは?
マインドフルネス訓練の方法
例:
爪を噛むために手を口元に持っていく直前に何を感じますか?そこから爪を噛む引き金になっている共通点を見つけることができますか?
(爪を噛む癖はずっと前から続いているため最初の引き金になったことを覚えていないはずです。そのため、これらの答えは長く定期的に自己観察することで得られるようになります)
自分自身で行う場合の気づきのヒント:
以前のブログでADHDの場合座っていられない原因は退屈だからだと伝えました。
私たちは嫌な時でも我慢する方法を自分なりに身に着けています。
もしかしたら、それが爪を噛む癖なのかもしれません。
爪を噛むのは束の間の解放感を得るためや退屈しのぎで、退屈さを我慢するために行っていませんか?
爪を噛むとき刺激を感じて一瞬高揚感を覚えませんか?
心配を紛らわすために爪を噛んでいませんか?そうすると安心感を得られているのではないですか?
脳の報酬とはこのように受け入れられない今の状況に耐えるための戦略で生き残る知恵であることが多々あります。
内的誘因では、不安やストレスなど気分の状態、緊張や圧迫感、衝動など体で感じる感覚に注意しましょう。
外的環境誘因として、テレビを見ている時、苦手な作業をしなくてならない時など決まった場所や作業がきっかけになっていることがあります。
2.代わりになる動作を決める
爪を噛む癖を本人が十分認識できるようになった次のステップは、その行動に代わる別の反応を作り出すことです。
その行動は数分以上続けられるもので学校や会社などでも目立たない自然と出来るものを選びます。
爪を噛む、指をしゃぶる、髪を引っ張るなど、手を使う習慣の場合はこぶしを作ったり、物をつかんだりして習慣化した癖と同時にできない動作にします。
教室や会社では物理的に口に入れることが無理なペンを持つ、家の中では、ガムを噛む、手袋をする、ストレスボールを握るなどの代替行動です。
ある習慣が他の習慣に取って代わるまで、爪を噛む習慣が新しい行動に自動化されるまで訓練します。
3.動機づけ
爪を噛む癖の再発を防ぐために、この行動から生じる問題のリストを作成することや、その癖が減って毎日がどれほど変わったかなどモチベーションを保つために日記につけましょう。
また、親や友人など応援してくれる人々のサポートをお願いしましょう。
前向きな一歩一歩が、成功への秘訣です。
4.学習したスキルをどんどん使う
爪を噛む癖に置き換えた新しい行動を、さまざまな場面で実践して定着させていきます。
ストレスの強さによって爪を噛む癖が無意識に出ることもあるかもしれません。そんな時は、自分に対して批判的な態度をとらず、より困難な状況にも活用できるように次の機会に練習しましょう。
次回にはチック症に特化したハビットリバーサル法(習慣逆転法)の記事をお届けします。
より詳しくハビットリバーサル法(習慣逆転法)を学びたい方にも必見です!
悪習慣を断ち切るコーチング・セラピーを受ける
悪習慣を変えるには周囲のサポートが必要です。
気づきのマインドフルネスと呼吸法、リラクゼーションスキルを学びながら爪を噛む癖や悪習慣をご一緒に変えませんか?
今までハビットリバーサル法(習慣逆転法)にある反対行動をご指導するセッションを提供したことはありませんが、気づきとストレス耐性をつけること、呼吸法などは得意としています。
世界的に有名なバーバラ・ブレナンヒーリングの卒業生であるプロのヒーラーがプライベートであなたと共にあなたの人生を変えるため全力でサポートします。
あなたが悩んでいる癖を変えるために最もご自身に合った簡単な方法を見つけながらご一緒に習慣を断ち切るためのスキルを身に着けていきましょう。
*ハビットリバーサル法(習慣逆転法)を使うセッションは初めてなので、通常メニューではご提供していないワークシート作成などの無料特別特典がつきます。
特典は2022年末までとさせて頂きます。
セッションはZOOM又はスカイプで行いますのでご自宅で気楽に受けて頂けます。
また、2022年度はハビットリバーサル(習慣逆転法)をコースとして設けていないため、単発メニューの金額で気軽にご受講いただけますので、気負わずご予約くださいませ。
*ハビットリバーサル法(習慣逆転法)は8回程度のセッションが必要だと言われています。
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