怒りは不快な感情かもしれませんが、気付いている、いないにかかわらず実はとても役立つものです。
不公平な応対に対して自分を守るために怒りが沸くこともあるでしょう。強いストレスがかかっている時にイライラ感として現れることもあります。
怒りを悪だと感じる人もいるかもしれませんが、人間として正常で健全なもので適切な境界線をつくることや自分の限界を知らせてくれるツールとして働きます。
健康的に怒りを表現できれば、それは強力な原動力となります。最も顕著なのは危険で逃げ場のない状況に置かれたときです。怒りは戦うために必要な感情の一つです。
しかし、慢性的な怒りは、心だけでなく体への悪影響もあり、心筋梗塞や脳卒中のリスクを高める可能性があります。対人問題や人間関係に暗い影を落とすことも多いはずです。
まずは自分の怒りのタイプを知って感情をコントロールするアンガーマネジメントで人間関係の改善や心と体の健康に役立ててください。
怒りとは?
怒りとは、すべての人が経験する、人間の基本的な感情です。
怒りを本能的で自然な方法で表すと攻撃的に反応することになるでしょう。
私たちが生きていくために必要だからこそ備わっている感情の一つで、怒りによって攻撃的な感情や行動を引き起こし、外敵から攻撃されたときに戦って自分の身を守れるのです。
しかしながら、あからさまな外敵がいない社会生活での怒りは通常、感情的な傷が引き金となります。
傷ついたと思ったとき、不当な扱いを受けたと思ったとき、長年信じてきた考えに反対されたとき、バカにされたと思ったときなどエゴが攻撃されたと感じるときに怒りを感じます。
他にも目標を達成する過程で障害に直面したときなどに起こる不快な感情としても経験されます。
怒る原因は外だけでなく、内的要因によっても引き起こされます。
怒りの度合い
頻度、強さ、持続時間など怒りの度合いは、人によって異なります。
また、怒りの閾値=どのくらい怒りやすいかや、抵抗がないかなども人によって異なります。
いつも怒っている人もいれば、めったに怒りを感じない人もいます。また、自覚がある人もいれば、怒りを感じても気づかない人もいます。
その他社会規制もあり怒りを抑圧していて外からは分からない場合も多いでしょう。
イライラする人や物にいちいち戦闘的になることや暴力を振るうわけにもいきません。
法律や社会的規範、常識以外にも疎外される怖れなど心理的な圧力も加わり、怒りに対する抵抗感や育った家庭の教育方針によってその感情をどこまで表現するか個人差があります。
怒りは一般的で避けられない感情であることを示すデーターがあります。海外の調査ですが、平均的な成人は1日に1回程度怒り、1日に3回程度イライラしたり、ムカついたりするそうで、アンガーマネジメントの専門家によると、1日に15回程度怒るのが現実的な平均値ではないかと言われているそうです。
怒りの原因
怒りの原因には、外的要因と内的要因があります。
外的要因は、隣人やママ友、子供が言うことを聞かない、そりの合わない趣味のサークルの仲間、会社の同僚や上司など特定の人、あるいはコロナや交通渋滞、政治問題など人ではなく出来事によるものです。
内的要因は、将来に起こるかもしれない個人的な心配であったり、現実にはまだ起きていないことを考え込んだりすることで誘発される怒りです。
内的要因のうちでも大きな原因の一つは、過去の癒されていない心的外傷や手放せない過去の出来事の記憶がよみがえることで防衛的に反応してしまうことがあげられます。
アンガーマネジメントのための怒りのサイン
自分のパターンを理解する
怒りの現れ方はさまざまです。
頻繁に感じる人もいれば、怒りを感じた出来事が頭から離れない人もいます。回数は少ないけれど、怒るときは爆発的な憤怒となって現れる人もいます。
効果的なアンガーマネジメントの第一歩は、自分の怒りを認識することです。もし典型的なイメージがあるなら、自分が怒っていても怒りを感じていることすら気づかないことがあります。あなたの回りにも、言葉や態度から怒っているのが明らかな場合でも、怒っていないという人がいませんか?
怒り狂っているのが怒りだと思い込んでいる人は怒りを極端に捉えています。その場合は自分の感情を認識できないため対処が難しくなります。
子供のころに怒りは悪いものだと教えられていたなら、怒りを悲しみや不安にすり替えてしまい怒りを感じないようにしている可能性もあります。その場合、一見アンガーマネジメントに役立っているように感じますが、戦う本能を自分自身で奪ってしまっているため自信の欠如や力のなさといった症状で現れます。
怒りは、苛立ちから爆発的な憤りまで、さまざまな強さで変化する感情で振れ幅があります。また、波もあります。怒っていたと思ったら冷静になったりと、怒りと冷静さの間を行ったり来たりするのが波です。
感情のサインを知るメリット
怒りのサインを知ることで自分の正直な気持ちを理解できます。
正直な気持ちを他の感情にすり替える人は怒りをリリースすることができません。
たとえば怒りを感じているのに悲しみにすり替えると自分は被害者だという気持ちがより強くなってしまいます。
アンガーマネジメントは怒りをうまく昇華させる方法を見つけることです。感情のすり替えでは感情のしこりが残ってしまいますので、癒されず何度も何度もその場面を考えてしまうようなことが起きます。
子供のころに怒りを悪いものだと教えられた人は自分に正直になると自分は悪い人になってしまうと無意識ながら感じています。
怒りはむしろ自然な感情なのに自分の感情を怖れ自分の中に悪を感じて本当の自分を怖れる矛盾に悩まされます。
そのような方にはむしろアンガーマネジメントよりもインナーチャイルドセラピーが効果を発揮します。
怒りのサインは大きく分けると4つのカテゴリーがあります。
怒っているときに感じること、その時に考えること、言う言葉、そして取る行動です。
自分自身の怒りのサインを認識することはなぜ重要なのでしょうか?
自分の感情をなるべく早く認識すると、何に対して怒りを感じたのかが分かりやすくなります。
不当な要求をされていることで怒りを感じているのなら、自分のニーズと相手のニーズの丁度良い匙加減をその場で調整することができるかもしれません。
積もり積もったフラストレーションを爆発させる前にその原因に対して上手な表現方法を見つけることもいずれ出来るようになるでしょう。
怒りを認識しないとイライラがたまり、知らず知らずのうちに許してくれる家族に当たり散らしているかもしれません。
それ以外にも自分の気持ちを認識することで得られる大きなメリットがあります。
それは、今までとは違う脳内の神経回路に繋がり怒りのパターン自体を変え始めることです。
認識することを習慣化して新しい神経回路が強化されると、脳の神経パターンが変わります。それは、今までとは違うあなたになる、ということです。
これまで幾度となく繰り返された地雷を踏まれたことで感情を爆発させ後悔するの繰り返しであっても、アンガーマネジメントが可能になります。
4つの怒りのサイン
怒りのサインは、身体的なもの、行動的なもの、感情的なもの、認知的なものの4つに分類されます。
自分が憤りを感じているときに気づくサインは何でしょうか?
4つの中から分かりやすいサインを特定して自分の怒りを認識しましょう。
身体的サイン
怒った時の身体的サインには次のようなものがあります。
- 食いしばる、顎に力み
- 首や顔に緊張と息使いの変化
- 筋肉の緊張
- 頭痛
- 胃の痛み
- 心拍数の増加と血圧上昇
- 手のひらの汗と額に汗
- 体温の上昇を感じ顔が熱くなる
- 手の震えや握りしめ、めまいなど
感情的サイン
怒りの感情的サインには次のようなものがあります。
- イライラする
- 攻撃されたと感じる
- その場から逃げ出したくなる
- 侮辱された、または屈辱を感じる
- 拒絶されたと感じる
- 不安を感じる
- 怖いと感じる
- 嫉妬する
- 罪悪感をおぼえる
- 見捨てられたと感じる
- 悲しい、落ち込む
- 恨みがましい
- 責める言葉や身体的な暴力を振るう
行動的サイン
怒りの行動的サインには次のようなものがあります。
- 暴言を吐く、暴力的な態度をとる
- 怒鳴ったり、叫んだり、泣き出したり、声を荒げる
- 言葉や動きのペースが速くなる、または、大きくなる
- 拳を握る
- ドアをバタンと強く閉めるなど振る舞いが荒くなる
- 歩き回る
- 皮肉を言う
- 心の余裕を失う
- 口調が強くなり攻撃的な応答になる
- お酒やタバコ、甘い物など、リラックスできるものが欲しくなる
自己認識サイン
怒りの自己認識サインには多くのバリエーションがあります。次のようなものを参考にしてください。
- 誰かを痛めつけたいと思っている
- 相手が後悔することを願う
- 誰かを懲らしめたいと思う
- 相手がわざと無礼なことをしていると思う
- 復讐を考えている
- 何か悪いことが起こっていると思う
あなたの怒りのサインはどのパターンで現れやすいか理解出来たでしょうか?
今まで怒りと認識されていなかった感情を理解してアンガーマネジメントに利用しましょう!
アンガーマネジメントで心の平和を!
アンガーマネジメントは回りの人たちと調和することやその場にふさわしい言動をとることが出来るようになるため、あなたに大きなメリットをもたらしてくれます。
アンガーマネジメントが必要な方は子供のころに手本となる人が周りにいなかったせいではないでしょうか?
うわべだけのアンガーマネジメントはむしろフラストレーションを貯め込むことになります。その結果、爆発することになりかねません。
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そして、何よりあなた自身が自分を責めなくてもよくなるので人生が本当に楽になります。
感情のコントロールができないのは、過去の心の痛みが原因です。
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