人間関係を根本から変える深層心理-シャドウ

#人間関係を改善 #シャドウワーク #心理学
シャドウワークで人間関係を改善する

多くの悩みの一つに人間関係があります。
人間関係で傷つきやすい人、人の行動に苛立ち、言われたことで腹立たしく眠れない夜を過ごす日々、ストレスになる友人関係を断ち切りたい、裏切られたやるせなさ、理解してもらえていなかったという悲しみ、人間関係で多くのストレスと悩みの原因になる心理学のシャドウと呼ばれる自分でも気づいていない影について前回に引き続き学びます。

スイス出身の20世紀の心理学者カール・ユングは、私たちの存在の隠された部分を影の自己、シャドウと呼びました。
カール・ユングは、あなたの影、シャドウを統合することで、より充実した人生につながると述べています。

あなたが無意識を意識させるまで、それはあなたの人生を導き、あなたはそれを運命と呼ぶでしょう。
カール・ユング

本当に悪い性質かどうかは別として、私達が信じる自分の人格の暗い側面を抑圧しているために影の部分、シャドウが生まれます。
シャドウはもちろん破壊的な一面を持ち合わせていますが、同時に自分で自分の感情の一部を悪だと思い込んでいるために癒しや自己愛を拒んでいる部分です。
また、それは先祖から受け継がれたビリーフ/信念体系に根ざしています。
そして、同時にあなたの、私の、誰もが経験した、受け入れられなかった当時の心の痛みと涙です。

シャドウワークは他に類を見ないほど癒しに繋がります。エネルギーの解放にそれほどインパクトを与えるのです。
シャドウワークをしない限り自分のシャドウに恐怖や怖れを抱きますが、インナーチャイルドを癒し自分を許し自己愛を育むための変容ツールがシャドウです。
そうは言っても、誰も自分が悪い特性を持っていることを認めたくありませんよね?
それが悪循環の元凶だと言われても打ちひしがれる出来事がない限り自分の暗い側面を学び知る努力をしようとはしないでしょう。
ブログは出来るだけ自分のシャドウに怖れを抱く必要がないことに重点を置き説明しています。ですので、他の心理学のシャドウと一線を画すようにしています。

*シャドウに関して下記の前回のブログもご参照下さい

人間関係とシャドウビリーフ

人とのお付き合いで感じるストレスは一見相手が問題のように映りますが、心の奥では、自分に対する劣等感や欠如を感じている無意識の部分が刺激されたことで防衛反応が起きます。
しかし、それを覆う心のメカニズムが根本にあるので私たちは本当に怒っていることや悲しんでいることの原因を誤り相手へと転化していることが往々にしてあります。
その一つが、あなたの人格の隠された部分のシャドウとシャドウビリーフと呼ばれる無意識の信念です。
心に傷を負うことはなかったと言う人も、ストレスを抱え込むことが多いのなら、実際は幼児期や幼少期に親が感情的・エネルギー的に子供にない、寄り添っていなかったことが原因かもしれません。
家庭や養育者に対し、安全だと感じていなかったことが多くの感情的な問題を起こします。
親が自分と感情的な繋がりを持っていないと感じた時、私たちは、自分は親を幸せにするほど十分でないと思い込みます。
それがシャドウとなって人を喜ばせる原動力となり、人を喜ばせることが出来なければ、幼少期の安全ではないというシャドウビリーフによって、うつや失望、相手への非難が起こります。
トラウマは出来事ではなく、このような小さな失望の積み重ねから心と体の反応が起きたことが原因になるのです。
残念ながら私たちの両親、そして私たち自身の多くも感情的に寄り添う方法を知らず、相手を失望させた自分は十分でないと心のずっと奥には無意識の自己叱責があります。
それは非常に心と体を傷つけ人間関係にネガティブサイクルをつくります。
自分は人と違うと感じて所属していないと思う孤立感が人間関係で親しみを持てない原因かもしれません。
自分のシャドウについて理解を深めると、安定した生活を混乱に貶め大切なお付き合いを破壊する行動を止めることが出来るため豊かな人間関係をつくることが可能になります。

シャドウは生き残る戦術

前回に引き続き今回もどのようにシャドウが発達していくか、そして、生き残る戦術としてのシャドウを例にとってみましょう。
私は自分で稼いで貯めたお金でオーストラリアに留学しました。
なるべく長く滞在したいと思っていたので切り詰めた生活をおくっていたある日のことです。
スーパーのレジで待っていると、私の前にはお母さんとカートのイスに乗った1歳半位の男の子が並んでいました。男の子はアイス専門店の美味しそうなコーンアイスを食べていました。
じ~~っと、その子が食べている旨そうなアイスを見つめていた私を見て、食べたいのだと察したその幼児は、なんと私にそのアイスを差し出そうとしたのです。
もちろん私は笑って顔を横に振りましたが、人は本来、他人の痛みや飢えを放っておくことはできないのですね。
ここで経験と影のシャドウがどのようにつくられているかを説明しましょう。
もし、私が本当に男の子のアイスを受け取り食べてしまったら?
きっと男の子は泣き叫び怒るでしょうね。
まだその子は幼すぎてアイスを人に上げると自分が食べるアイスが無くなる結末を思い描けていません。実際に無くなってしまうショックは相当なものとなると思います。
泣き叫ぶ男の子を見て、お母さんが他人に上げたからこんな結果になったのだと怒ったらどうでしょうか?
その子は愛を分かち合うことは良くないことで、悪い事、あるいは自分を苦しめることになると理解するでしょう。この場合は愛や気遣いは表現してはいけないシャドウとして無意識の領域に生き続けます。
もし、お母さんが事の成り行きを理解して、その子に「またアイスを買ってあげるから大丈夫よ」、と言うと、その子の中では違った意識付けを持つことになります。
おそらくその子は、世界は豊かで誰もが願いを叶えられる概念を無意識で受け取るでしょう。
また、あるお母さんは、「もうおやつ代の予算がないから、買えないけれど、あなたは優しい良い子ね」、と子供の行動を良い性質の一つだと褒めた場合はどうでしょうか?
可能性としては、その子は自分の行動とその行動から起きた結果を理解し、将来どのようにしたら自分のニーズを満たしながら人と分かち合うことができるかのバランスを自分なりに学んでいくかもしれません。
それぞれの家庭で違う価値観やそれに伴った報酬である褒める、怒られる、認められる、無視されるなどの反応により子供はその家に属するためのルールや言動を学んでいきます。
赤ちゃん、幼児、低年齢の子供は家族の支えがないと生きていけません。それ故、愛を失うことは死を意味し、その家族に属するために家庭の価値観を共有するよう努めます。
ある行為や考え、感情は愛を失うものとして、抑圧します。
また、心の痛みに耐えられず、自分の感情をマヒさせます。
シャドウは言わば子供にとって生き残るための自然な戦術なのです。
しかし、抑圧された感情は無くなることなくずっと生き続け、むしろ強くなっていき、仕事や人間関係、健康に害を及ぼし続けます。
それ故、シャドウを知ることは自分の健康と精神性の健全さを促進し、より満足のいく人生をおくることを助けます。

シャドウを学ぶ注意点

ここで大切なのは、先ほど例に挙げたお母さんの対応の仕方に関して、どの方法が正しく、間違っているといった判断材料にしないことです。
どのしつけが正解でどのように考えるのが良いのかと答えを求める気持ちが出てくるかもしれませんが、シャドウは誰の中にもあり、どんなに幸せそうに見える人にもシャドウがあります。
どのように家族から信念体系を受け継ぎ性格構造の一部として自分の中に取り込まれるようになるかを示し、一般的には美徳とされる愛や分かち合いでさえも良くないことだと思い込み抑圧してシャドウとなる例を挙げました。
自分のシャドウを知ることはストレスを減らし、人生を有意義にし、自分癒しに欠かせませんが、自分にこんな悪いところや醜いところがあると気づくためのものでは決してありません。
育った環境や経験から自分で良し悪しや価値判断をして人に受け入れてもらうにはその部分を出してはいけないと思い込んだ部分です。
隠している自分の一部を恥ずかしく感じ自分に嫌気が差すようなものではない、ということを理解するとストンと肩の力が落ちます。
自分の弱さも、好きでないところも、「あってもいいよね」、って考えられるようになると今まで抑圧されていた傷ついたインナーチャイルドは安心して姿を現し、子供のころの喜びや興味が内側から湧いてくるようになります。

悲観的に考える癖を変えるために:
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シャドウの破壊的要素

しかしながら、影の自己、シャドウが潜在的に破壊的な人格の側面を含んでいるときがあります。また、破壊的な一部が抑えきれず、モラハラやパワハラとして思わず出てしまい、今まで積んできた業績や人徳が、ある日突然破滅へと転じることさえあります。
その逆で、自分で嫌っていた性質が実はその人の最も良いところでギフトであることさえあります。
どちらにしても自分の一部を影へと追いやる心理は、大きなエネルギーの浪費に加え、ストレスのもととなり、妬みに繋がり、健康を阻害する要因となり、最もタイミングの悪い場面で不意にキレてしまうなど、普段ならしないような言動が外に出てしまうような時限爆弾でもあるのです。

個人の特質した点やチャームポイントを表すアーキタイプ全般に言えることですが、どのタイプにもネガティブな面があります。短所と長所はコインの裏表でバランスが取れればあなたを大変魅力的な人へと変容します。
そして、自分の隠された一部に怖れを抱くことがなくなるのです。
私たちは誰しも人に見せたくない部分があります。
アイスクリームが一つしかない時、自分が食べることに罪悪感を抱き、人が食べているときには羨ましく感じてもそれを自分で気づかないように蓋をします。
自分の中にあってはいけないものと感じている私たちの一部は幼いころに感情的に寄り添ってもらわなかったインナーチャイルドの痛みであり、私たち自身が認めていない人間らしさなのです。
否定すればするほど、エネルギーは頑なになり、心も同様に弾力を失います。ひいては同じような疾病を招くこともあります。
心が頑ななら、心臓疾患、エネルギーを抑え込んでいるなら筋肉や関節の硬直などです。

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シャドウが起こすネガティブサイクル

影となったシャドウを見つけることは困難ですが、繰り返し人生に起きていることはあなたのシャドウに関係しています。
もし、「いつも裏切られる」と思うなら、シャドウは「私は善人でいたい→私は悪い子だと知られるのが怖い」「被害者でいる方が安全だ→加害者には天罰が下る」など、どう考えても筋の通らない理屈が潜んでいるかもしれません。
なぜなら、シャドウはまだ理性が確立していない幼児期から始まるので、顕在意識では理解できないものが無意識の中に生き続けているのです。
幼少期に自分が悪い子だと思われていると感じると、自分が悪い子なら、親は私を捨てるかもしれないと不安になります。子供にとって見捨てられることほど怖いものはありません。
親の人付き合いを見て、人との接し方を学び、裏切られる人は善人だと思い込んだら、悪人にならないために裏切るような人に引き寄せられることもあります。
大人になっても見捨てられる恐怖は癒すまで続きます。その結果、人を裏切るようなタイプの人とのサイクルが途切れません。
子供の描く善人はシャドウであるがゆえに成長することなく大人になっても全く合理的でない動機で、人との付き合いや仕事での言動に自動作用で反応します。
見捨てられる恐怖を避けるための潜在意識の深くに抑圧した恐怖は認識するまでネガティブサイクルを繰り返します。

自分が悪いことをした時、親や祖父母が「悪いことをするから天罰が下ったのだ」、と言われ、天罰が下ることは非難と愛を失うと強く感じ、加害者になるリスクを怖れて被害者に居続ける方を無意識に選択していることもあります。

シャドウと人体エネルギー

体の痛みや心のバランスがとれない原因の多くは幼少期の未解決の心の痛みのトラウマが、人体エネルギーの中に閉じ込められたままになっているからです。
未解決の心の痛みは、シャドウセルフとなって人間関係から健康に至るまで人生に影響を与え続けます。あなたが意識してない抑圧している人格の一面のシャドウセルフ・・。
シャドウセルフに気づくと深い癒しが起こり、閉じ込められた人体エネルギーが解放され、エネルギーの統合が起こります。
それにより、より心身ともにバランスがとれ、健康とバイタリティーが得られます。
また同時に、私たちのスピリチュアルな才能を引き出す鍵であり、自己成長、潜在能力、進化を加速させ人間関係からビジネスまで潜在能力を活性化してくれます。

自分の抑圧している性質が未解決のまま長く続くと、破壊的な言動に繋がります。
人と一緒にいることだけでなく、自分自身でいることさえ安全でないと感じ、人生そのものに対する失望感で暗い毎日を過ごすようになるのです。
自己破壊の繰り返しが犠牲者意識を強める結果となります。

最後に

シャドウは容易には気づきません。「私は愛されるに値しないと感じているのです。」と言ったとしても、実際にはシャドウの層にワークしていないことがシャドウの難しいところです。
一つにブロックと呼ばれる心を守るエネルギーの壁が出来ているからです。
養育者が感情的に子供に寄り添っていない時、私たちは心を守る術をブロックという形で身に着けます。
痛みを感じないように、自分が壊れてしまわないように守るのです。
その痛みは死ぬほど恐ろしいと感じているため、触れることさえ恐怖心を感じるためワークは非常に困難な作業となります。
しかしながら、ワークをしないと、大人になってもその部分は成長しないため、問題を引き起こしていきます。
結局のところ、この部分を癒すのは大人になった自分が自分に対して責任を持つことを意味するのかもしれません。
人間関係を改善してストレスを減らし、自分を輝かせるために専門家と一緒にするシャドウワークは癒しのワークです。
痛みを癒し健康的な信念/ビリーフに置き換えていくため、今の状況をより良くするだけでなく、今後の人生に使える一生涯の宝となります。
人間関係の問題に苦しんでいる方はどうぞご相談ください。

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