こんなに多様な感情がある|感情の種類と名前のない感情たち

自然の中で穏やかな表情を浮かべる30代男性が、感情の多様性をテーマにした記事のタイトルとともに写っている。
名前のない感情を理解すると、生きづらさがひとつ減る記事です。

本記事は「感情がわからない」をテーマにしたシリーズの第2回です。

こんなに多様な感情がある|名前を持たない感情たちと心の広がり

「何も感じていないと思っていたけれど、実は言葉にできない感覚がある」。
第1回を読んで、そんな違和感に気づいた方もいるかもしれません。

実は私たちの感情は、喜怒哀楽の4つだけでは語れません。
名前がはっきりしない微細な感情も含めると、感情は非常に多層的で、連続したグラデーションを持っています。

この回では、「感情の種類が多い」という話に加えて、
感情に気づけるようになることが、なぜ人生への対応力を高めるのかを、心理学・神経科学の視点から整理していきます。

感情は「4種類」ではなく「スペクトラム」

心理学では、感情は大きく「一次感情」「二次感情」「三次感情」に分けられます。

一次感情(Primary Emotions)

生まれつき備わっている普遍的な感情で、文化を超えて共通するとされています。

  • 喜び(Joy)
  • 怒り(Anger)
  • 悲しみ(Sadness)
  • 恐れ(Fear)
  • 驚き(Surprise)
  • 嫌悪(Disgust)

これらの一次感情を土台に、経験や思考が混ざり合って生まれるのが「二次感情」です。

二次感情(Secondary Emotions)

  • 怒り → いらだち、嫉妬、恥
  • 恐れ → 不安、緊張、心配
  • 悲しみ → 孤独、後悔、落胆
  • 喜び → 満足、誇り、感謝

さらに、二次感情が細かく枝分かれしたものが「三次感情」です。

三次感情(Tertiary Emotions)

  • 不安 → 気がかり、そわそわ、胸がざわつく感じ
  • 怒り → 焦燥、苛立ち、落ち着かなさ
  • 喜び → 静かな満足感、安心感、希望

このように、感情は単純な4種類ではなく、
多層的で連続したスペクトラムとして存在しています。

なお、一次・二次・三次感情の分類は研究者によって異なりますが、
ここでは一般的な整理方法を紹介しています。

名前を持たない感情が「感じられない感覚」を作る

感情には、はっきりした名前がないものも多く存在します。

  • なんとなく安心する
  • 少し引っかかる
  • 微妙に違和感がある
  • 静かな満足感
  • 理由はないが重たい感じ

こうした感覚は、感情と身体反応の中間にあるような体験です。
しかしこれらを「感情ではない」と扱ってしまうと、
「自分には感情がない」「何も感じていない」という認識が強まりやすくなります。

感情に気づけると、何が変わるのか

感情を感じられるようになることは、単に気分が豊かになるという話ではありません。

① 情緒的な処理能力が広がる

心理学では、感情を認識し言語化できる力を「情動認識能力」と呼びます。
研究では、感情を細かく区別できる人ほど、

  • ストレス回復が早い
  • 衝動的な行動が減る
  • 状況に応じた選択がしやすい

ことが示されています。

② 人とのつながり方が変わる

自分の感情がわかるようになると、他者の感情の変化にも自然と気づきやすくなります。

「なぜ相手が怒っているのか」ではなく、
「この人は今、不安や緊張が強いのかもしれない」
と捉えられるようになる。

これにより、対立や誤解が減り、関係性を修復する選択肢が増えていきます。

③ 過去の出来事の意味づけが変わる

感情は記憶と強く結びついています。
当時感じられなかった感情に後から気づくことで、

  • 「あの時の自分は精一杯だった」
  • 「怖かったから、感じないようにしていた」

と、過去を責めではなく理解として捉え直せるようになります。

④ 変化への対応力が高まる理由

神経科学の視点では、感情は「環境の変化に対応するための情報」とされています。

感情がわかる
= 状況の変化を早く察知できる
= 行動の選択肢が増える。
その結果、次のような力が高まります。

  • 予期しない出来事への適応
  • 人生の転機での柔軟な判断
  • 将来への不安への耐性

これらはすべて、感情が「生きるためのセンサー」であることを示しています。

不安や緊張が抜けにくい状態については、
こちらの記事で身体と神経の視点から詳しく解説しています。


緊張と不安|リラックスできない理由

感情を感じることは「生きづらさを増やす」ことではない

「感情を感じると、つらくなるのではないか」。
そう感じる方も多いと思います。

ですが実際には、感情に気づけない状態のほうが、
理由のわからない不安や身体症状として苦しさが現れやすくなります。

感じることは、心を弱くする行為ではなく、
現実に適応する力を取り戻すプロセスです。

次回予告:感情と体・神経はどうつながっているのか

次回は、

  • なぜ感情は体に先に現れるのか
  • 神経系が圧倒されると何が起きるのか
  • 安心・不安と感情の深い関係

といったテーマを扱います。
感情を「理解」するだけでなく、無理なく扱うための土台となる回になります。

感情に関するシリーズ記事

※公開日は状況により多少前後する場合がございます。

参考視点・研究背景

  • Barrett, L. F.(2017)How Emotions Are Made
  • Kashdan et al.(2015)Emotion Differentiation and Psychological Health
  • Damasio, A.(1999)The Feeling of What Happens
米国BBHS卒・4年間の専門課程修了ヒーラー
心理・スピリチュアル分野の専門家
Yayoi(バーバラ・ブレナン・ヒーリング認定)

米国フロリダ州のバーバラ・ブレナン・スクール・オブ・ヒーリングで4年間学んだエネルギーヒーリングを土台に、身体感覚のワークやパーツワークを取り入れたセッションを行っています。必要に応じて呼吸法も併用し、心身の安心や「生きやすさ」を取り戻すサポートを大切にしています。
開業12年、スクール在籍時から数えると16年間、個人セッションに携わってきました。現在も、海外の専門的なオンライン講座を通じて心理・神経系の学びを継続しています。
サロン「みか月と三ツ星」は兵庫県たつの市を拠点に、オンラインで全国の方へセッションを提供しています。
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