長年セッションを続ける中で、痛みがなかなか回復しない方には心の傷が背景にあることに気づくようになりました。身体の不調と心の体験がつながっているかもしれない、そんな視点を今日はご紹介します。
また、心の痛みが「人間関係のパターン」として表れることも少なくありません。人との距離の取り方や安心しづらさに心当たりがある方は、こちらの記事も参考になるかもしれません。

心の痛みと身体症状がつながる理由
トラウマや強いストレス体験は、心だけでなく身体にも影響を残します。これは珍しいことではなく、多くのクライアント様がセッション前後で身体症状の変化を体験されています。
特に、過去の傷に関連する頭痛・肩のこわばり・背中や膝の痛みなどがセッション前に強まるケースは少なくありません。心の負担が軽くなると同時に、身体症状が改善することもよく見られます。(症状の改善を約束するものではありません。)
専門家・研究の知見
複数の研究や専門家の視点を整理すると、共通して「トラウマは身体に残り慢性症状として現れる」という理解に集約されます。
The Body Keeps the Score(精神科医ベッセル・ヴァン・デア・コーク氏)
著書では、トラウマが脳と身体のシステムに蓄積される仕組みが詳細に解説されています。慢性的な痛み・緊張・身体の過敏さが未処理の心的外傷と深く関係していることが示されています。
ACE(幼少期逆境体験)研究
CDCによる大規模研究では、幼少期に逆境体験が多いほど成人後に心疾患や自己免疫疾患、慢性炎症の発症率が上昇することが分かっています。

ソマティック・エクスペリエンシング(SE)理論 / ピーター・ラビン氏
SEでは「身体に蓄積されたトラウマが痛みとして現れ、適切な身体ワークによって解放される」ことが繰り返し語られています。
ヤッサ・ユッホ氏(身体心理学の研究者)
心理的ストレスが神経・筋膜・臓器に反映され、慢性的な不調が「感情の痕跡」である可能性を示唆しています。
セルフチェックリスト
当てはまる項目が多いほど、身体的症状の背景にトラウマ反応が残っている可能性があります。
心の傾向
- 理由のない不安や緊張が続く
- 他人の顔色を過度に気にする
- 休んでも休まった感じがしない
- 感情を表現するのが苦手
身体の反応
- 慢性的な痛み(肩・首・腰・頭痛など)
- 原因不明の疲労が続く
- 胃腸トラブル・過敏性腸症候群
- めまい・動悸・息苦しさが出る
生活面のパターン
- 頑張りすぎて限界まで気づけない
- 安心できる環境にいると急に涙が出る
- 何もしていないのに常に緊張している
筆者のセッション事例
実際のセッションでも、過去の心の傷に関連する痛みが浮上する方が少なくありません。心の緊張が和らぐと、それに伴い身体の症状も軽くなることがあります。
参考リンク(参照元)
- The Body Keeps the Score / Bessel van der Kolk
- CDC ACE Study(Centers for Disease Control and Prevention)
- Somatic Experiencing(SE)の理論・講座内容(Peter Levine)
- Yassa Juho – 身体と感情の関連理論(身体心理学の研究者)
【トラウマ4回シリーズ – 関連記事】
第1回:トラウマとは?神経系から読み解く心の傷とトラウマセルフチェック
https://healing33.com/trauma-rikai/
第2回:人とのつながりが怖いあなたへ|愛着トラウマと防衛スタイルから見る心の回復
https://healing33.com/trauma-series-relationship/
第4回:神経系の回復と認知の再構築(公開予定)
当サロンでは、エネルギーヒーリングとカウンセリングを通じて、緊張しやすい心や疲れが抜けにくい身体が本来の状態へ戻るためのサポートをしています。
安心して、自分らしさを取り戻す時間を持ちたい方は、どうぞご相談ください。
あなたの癒しのプロセスは確実に前進しています
心を癒すことは未知の体験で、不安を感じることもあると思います。しかし、心の痛みと身体の痛みが結びついている状態では、無意識の緊張が続き、余計に負担がかかります。
ほんの小さな一歩でも、心と身体の両方にとって「未来の負担を減らす大きな力」になります。あなたの勇気ある選択は、確実に明るい未来を作っています。

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