【執筆】Yayoi(サロン「みか月と三ツ星」主宰)
不安や生きづらさを抱える方へ、16年間エネルギーヒーリングと心理・神経系のワークを提供しています。(兵庫県たつの市 / 全国オンライン対応)
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アンガーマネジメントを試したのに、かえってイライラが募った。6秒ルールを守っているのに、うっぷんがたまるばかりで、アンガーマネジメントになっていない気がする。
感情記録をつけているうちに、神経が高ぶって寝づらくなった。気分が落ち込む、不安が増えた、突然の爆発的な怒りが増えた――。
「アンガーマネジメントは危険なのでは?」と感じて、検索された方もいるかもしれません。
結論からいうと、アンガーマネジメントそのものが危険というわけではありません。ただ、やり方によっては、怒りを「感じないように抑え込む」ことになり、かえって負担が増えることがあります。
この記事では、アンガーマネジメントで逆につらくなる理由と、怒りを我慢して抑え込むとどうなるのか、そして、我慢でも爆発でもない「怒りをエネルギーとして感じる」方法を紹介します。
【アンガーマネジメントを3つの記事で解説しています】
- 怒りのサイン(前兆)の見つけ方:怒りに気づく
- この記事:怒りの抑圧と心身への影響
- 怒りを感じたときの対処法:怒りに気づいたあとの実践方法
こんなことはありませんか?
- アンガーマネジメントを試したのに、かえってイライラが募った
- 6秒ルールを実行しているのに、うっぷんがたまるばかり
- 感情記録をつけていると、神経が高ぶって寝づらくなる
- 気分が落ち込んだり、不安が増えたりした
- イライラが続くようになった、または突然の爆発的な怒りが増えた
- 腹が立っても我慢してやり過ごし、あとでどっと疲れる
- そもそも、自分が怒っているのかどうかもよく分からない
ひとつでも当てはまるなら、この記事が役に立つかもしれません。
アンガーマネジメントは危険?逆にイライラ・つらくなる理由
アンガーマネジメントの目的は、怒りをなくすことではありません。怒りを感じたうえで、衝動的な言動を選ばず、自分に合った表現や対処を選ぶことです。
ところが、「怒ってはいけない」「怒らないようにしなければ」という方向で取り組むと、怒りを感じないように抑え込むことになり、かえって負担が増える方がいます。怒りを抑え込むことで、かえってイライラが強くなったり、長引いたりする場合もあるのです。
6秒ルールでうっぷんがたまる・うまくいかないとき
6秒待つ方法は、怒りに任せた衝動的な言動を避けるための工夫として、広く紹介されています。ただし、6秒待てば怒りそのものが収まるとは限りません。怒りが生じると、身体にもストレス反応が起こるため、6秒待っただけで気持ちが落ち着かないのは、決して不自然なことではありません。
強く興奮しているときは、短い時間では落ち着けないこともあります。The Gottman Instituteでは、強い興奮状態から落ち着くために、20分程度の休止を取ることを勧めています。ただし、落ち着くまでに必要な時間には個人差があります。
6秒ルールに頼りすぎず、できるなら、まずはその場を離れて、怒りが少し収まるのを待ちましょう。強い怒りのときの落ち着かせ方は、アンガーマネジメントの実践方法|怒りを感じたときの対処法で紹介しています。
感情記録をつけると眠れない・寝づらいときの調整
怒りの記録は、自分のパターンを知るために役立ちます。一方で、寝る前に出来事を細かく思い返しながら書くと、頭と体が興奮して、眠りにくくなる方もいます。同じ出来事を繰り返し考えることは、怒りを強め、長引かせることもあると報告されています。
次のように調整してみてください。
- 記録は、寝る前を避けて、日中や夕方に行う
- 長く書かず、「出来事・体の感覚・怒りの強さ(0〜10)」の3点だけを、1〜2分で書く
- 書いていて苦しくなったら、そこでやめる。毎日続けなくてもよい
アンガーマネジメントで落ち込み・不安・突然の爆発が増えたとき
アンガーマネジメントに取り組んだあとに、気分の落ち込みや不安が増えた、イライラが続くようになった、突然の爆発的な怒りが増えた、と感じる方もいます。
これらが、アンガーマネジメントそのものが原因とは言えません。もともとのストレス、睡眠不足、体調、心の不調など、ほかの要因が重なっていることもあります。一方で、怒りを感じないように抑える方向で取り組んでいる場合は、負担が増える一因になっている可能性があります。
気分の落ち込みや不安、不眠が続く場合や、動悸・頭痛・胃の不調などで日常生活に支障が出ている場合は、自己判断で続けず、医療機関に相談してください。
怒りを我慢してやり過ごしてしまうのはなぜ?怒りの扱い方が分からない背景
アンガーマネジメントに興味を持って調べている方の中にも、怒りを我慢してやり過ごしている方は少なくありません。
腹が立ったとき、どうすればいいのか分からない。とりあえず我慢する、気にしないようにする、笑ってやり過ごす――。
それで、その場は丸く収まったように見えます。周りからは「穏やかな人」「大人な対応ができる人」と思われているかもしれません。
けれども、ひとりになったあとにどっと疲れたり、数日たってから急にイライラが爆発したりしていませんか。
怒りの扱い方は、学校でも家庭でも、ほとんど教わりません。「怒ってはいけない」「怒るのはみっともない」と言われて育った人は、怒りを感じたとき、どう扱えばよいのか分からないまま大人になります。
ぶつければ関係がこわれてしまう。でも、どう処理すればいいのか分からない。その結果、抑え込むしかなくなるのは、自然な流れです。
このように怒りを我慢することが「良いこと」だと、無意識のうちに思っていても不思議ではありません。怒りを上手に表現する方法を知らないうちは、我慢することが唯一の方法だと思ってしまうからです。
怒りは悪い感情ではない|限界や境界線を知らせる役割もある
怒りは、ただ人を傷つけるための感情ではありません。不当な扱いを受けたときや、自分の限界を超えたときに、「何かがおかしい」と知らせてくれることもあります。自分の境界線を守ろうとする反応でもあります。
怒りがなければ、嫌なことや限界に気づかないまま、我慢し続けてしまうかもしれません。
問題なのは、怒りを感じることではなく、どう扱えばよいか分からないまま、感じないようにしてしまうことです。
怒りを我慢して抑え込むとどうなる?爆発・疲れ・イライラの原因
怒りを我慢してもイライラが残るのはなぜ?
実験では、表情や態度に感情を出さないようにしても、主観的に感じる感情が必ずしも弱まるわけではないことが示されています。また、感情を抑えることは、状況によっては血圧などの身体反応にも影響します。
そのため、「我慢したのに、あとからも怒りが残っている」ということは起こり得ます。ただし、感情を抑えることの影響は、状況や人によって異なります。
抑え込んだ怒りは、皮肉・イライラ・爆発として出てくる
- 皮肉っぽい言い方や、批判的な考え方
- 理由のはっきりしないイライラ
- 立場の弱い相手や、気を許している家族への強い当たり
- 我慢の限界を超えたときの爆発
これは相談の場でよく見られる傾向で、すべての人に当てはまるわけではありません。
爆発したあとに、関係がよそよそしくなり、それまでの我慢が無駄になったように感じる方もいます。
怒りを抑え込むと心と体に負担がかかる?研究で分かっていること
- 感情を表に出さないよう抑える傾向は、不安や抑うつの高さと関連することが報告されています(関連であり、原因とは言えません)
- 実験では、感情を抑えようとすると、血圧などの反応が大きくなり、あとのストレスへの反応にも影響が出ました(短時間の室内実験です)
ただし、「抑え込むことだけが病気の原因になる」とは言えません。怒りの爆発の直後に、心臓の発作のリスクが高まるという報告もあります。抑えることも、爆発させることも、体には負担になりうる、と考えるのが正確です。
怒りが悲しみや不安にすり替わるとき|怒りを我慢して苦しさが続く理由
「怒ってはいけない」と思っていると、怒りを認めること自体が難しくなり、悲しさや不安として受け止めたり、「自分が悪いのだ」と考えたりすることがあります。
また、怒りを感じても、自分を守るために行動できないと、無力感が強まり、悲しみや不安が前面に出てくることもあります。怒りを抑え込むことは、単に感情を表に出さないだけでなく、自分の気持ちや望みを見失うことにつながる場合もあります。これは私自身の相談経験にもとづく見方で、研究で確かめられたものではありません。
怒りを我慢することが、いつもこうした結果を招くわけではありません。ただ、怒りを抑えているのに苦しさが続くときは、怒りそのものだけでなく、その奥にある気持ちや、自分が我慢していることにも目を向けてみると、気づくことがあります。
自分の怒りに気づくための具体的なサインは、怒りのサイン(前兆)の見つけ方で解説しています。
我慢でも爆発でもない「怒りを感じて流す」方法|怒りのエネルギーを感じるとは
ここからは、私がBBSHで学び、実践の中で役立っている考え方を紹介します。
「怒りをエネルギーとして感じる」という表現は、心理学の標準的な理論ではなく、体験的・実践的な捉え方です。
「抑え込むのがよくないなら、ぶつければいいのか」と思うかもしれません。そうではありません。ぶつけることも、相手との関係を傷つけます。
もうひとつの方法が、怒りを、体を流れるエネルギーとして感じることです。押し込めず、ぶつけず、ただ感じます。
私が学んだ「抑圧」と「感じて流す」の違い
私は「BBSH(バーバラ・ブレナンヒーリングスクール)」で、感情はエネルギーの一つの形だと学びました。怒りであれば、かっとするような熱いエネルギーが湧いてきます。それを、体の中を流れるままにして、感じていきます。同時に、そのエネルギーを衝動的に相手へぶつける言動にはしません。
これは抑圧とは違います。抑圧は、その流れが不快なために、ぐっとこらえたり、気にしないようにしたりして、感じること自体を避けることです。体の感覚から離れていく反応なので、「いまの体の感覚に足をつけて落ち着く」というグラウンディングとは、逆の動きだと教わりました。
怒りのエネルギーを感じながら、行動は選ぶ。そのほうが、自分の心身にも人間関係にもよいと感じています。
私自身は、この方法を続ける中で、怒りとの付き合い方が変わったと感じています。ただし、感じ方や変化の出方には個人差があります。
怒りのエネルギーを見守るワーク|感じて流す4つのステップ
怒りを感じたときに、次の順で試してみてください。無理のない範囲で構いません。体の感覚に注意を向けることで、かえって苦しさや興奮が強まる場合は、無理に続けず、目を開けて周囲を確認するなど、安心できることに注意を向けてください。
WORK|怒りのエネルギーを見守る
- 怒りを感じたら、まずは衝動的に反応せず、安全を確保してから、自分の状態を確かめる
- 体のどこに、どんな感覚があるか(熱さ、緊張、鼓動など)を観察する
- 呼吸をしながら、その感覚が移り変わっていくのを、ただ見守る
- 落ち着いてから、相手に自分の気持ちを伝えるか、何も言わずその場を離れるかを選ぶ
怒りの感覚を無理に抑えず、体の感覚として見守ることで、少しずつ気持ちが落ち着いたり、すっきりした感覚が生まれたりすることがあります。
職場など、その場で言い返せない場面で、いったん言葉をのみ込むことは、悪いことではありません。大切なのは、そのあとで、感じることを避けずにいられるかどうかです。
怒りが強すぎて衝動を抑えられないと感じるときは、無理に感じ続けず、いったんその場を離れてください。
怒りを感じて流すのが難しいときは|感じられない・怖いと感じる場合
怒りのエネルギーを感じようとして、こんなふうに戸惑う方は少なくありません。
- 不快で、すぐに目をそらしたくなる
- 何も感じない、どこに怒りがあるのか分からない
- 怒りよりも、悲しさや不安のほうが出てくる
- 感じているうちに、怒りが大きくなって怖くなる
怒りを長く抑えてきた人の中には、怒りの感覚に戸惑ったり、何を感じているのか分からなかったりする方もいます。
怒りを感じなければならないということはありません。無理をせずこのような方法もあるんだな、と知ると楽になることがあります。
怒りが、自分の体や考え、行動のどこに出ているのか分からないときは、まず「怒りのサイン」を探すところから始めてみてください。
怒りを我慢する背景にある子どもの頃の経験|インナーチャイルドの視点
「怒ってはいけない」という思いの背景に、子どもの頃の経験や、過去の心の痛みが関係していることもあります。インナーチャイルド(心の中にいる、子どもの頃の自分)の気持ちを受け止め直すことで、楽になる方もいますが、すべての人に当てはまるわけではありません。つらさが強い場合は、専門家と一緒に、安全なペースで進めてください。
ひとりでは難しい、やり方が合っているのか分からない、というときは、サロンで一緒に整理することもできます。
よくある質問|アンガーマネジメントと怒りの我慢
怒りを我慢するのは、悪いことですか?
その場で一時的に控えることが必要な場面もあり、我慢そのものが常に悪いわけではありません。問題になりやすいのは、感じないように押し込め続けること、葛藤を抱えたまま我慢を重ねること、自分の怒りに気づかないままでいることです。
怒りを感じて流すだけで、本当に楽になりますか?
変化の出方には個人差があります。この方法の効果が、研究で確かめられたとは言えません。私が学び、実践してきた経験にもとづく考え方です。
「抑え込む」から「感じて、行動を選ぶ」に少しずつ移っていくことで、爆発やあとからの疲れが減ったと話してくださる方もいます。何度かやってみても難しい場合は、ひとりで抱え込まず、サポートを受けてみてください。
まとめ|アンガーマネジメントで怒りを抑え込まず、感じて行動を選ぶ
この記事のまとめ
- 怒りは悪い感情ではなく、自分を守り、限界や境界線を知らせてくれるサインでもある
- 怒りの扱い方を知らないと、抑え込むしかなくなる
- 怒りを我慢しても、イライラが収まらず長引いたり、別の形で表れたりすることがある
- 怒りをエネルギーとして感じ、衝動的にぶつけずに行動を選ぶ方法がある
怒りは、消そうとするものではなく、感じて、そのうえで行動を選ぶものだと私は考えています。
怒りによる衝動が強く、自分や他人を傷つけてしまいそうな場合は、一人で抱え込まず、医療機関や専門の相談窓口などに相談してください。
私は、兵庫県たつの市のヒーリングサロン「みか月と三ツ星」で、怒りをどう扱えばよいか分からず、我慢してきた方のためのセッションを行っています。「脳の興奮を静める方法」「トリガー(感情が高まる原因)を減らす方法」「怒りを健康的に発散・表現する方法」の3つを軸に、あなたに合ったやり方を一緒に整理します。
いつも我慢してしまう方、怒りに気づきにくい方、感情が大きくなってから気づく方も、お気軽にご相談ください。
※当サロンのセッションは、医療行為ではなく、診断や治療を目的としたものではありません。
参考文献
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- Aldao A, Nolen-Hoeksema S, Schweizer S. Emotion-regulation strategies across psychopathology: a meta-analytic review. Clin Psychol Rev. 2010;30(2):217-237. doi:10.1016/j.cpr.2009.11.004
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- The Gottman Institute. Manage Conflict, Part 4(gottman.com/blog/manage-conflict-part-4)
